織元の奥様。しつけつきのお着物が長持にぎっしりあるけどほとんど着てない…とのこと
870: 2015年07月04日 09:28
最近ある織元の奥様とお話をする機会があったのですが、奥様、しつけつきのお着物が長持にぎっしりあるけどほとんど着てないし自分ひとりでは着られない、とのこと。
ご主人様が「作る立場の人間が着飾るものではない」「職人は最高級のものを無心に作るのみ、職人の家の者が着飾っていては世間様に笑われる」というお考えなのだそう。ただ、よいものは知っていなければならないので、嫁入りの着物はほとんどお姑様のお見立てで揃えたとか。
リサイクルやプレタを普段着に着てる私を、奥様は「自由でうらやましいわ」「今の時代、正絹でなきゃ、誂えでなきゃ、なんて言ってたら着物は廃れるばかりよね」とおっしゃるが‥。
871: 2015年07月04日 09:32
続き。
ご主人様は昔風の考え方なのかもしれないけど、おっしゃることも一つの見識かなあ、って思いました。職人さんがこつこつと作り上げたものしか持たない層と、気軽に安価なものを楽しむ層が二極化していたほうが着物は着続けられるのかな、なんて思います。
872: 2015年07月04日 11:12
作る立場の人も着てもよいと思うけどなぁ。ハレとケがきちんと分かれているのであればいいと思うのだけど。
着ないと分からないこともあると思うのよね。
着心地だったり、肌に触れる感触。肌に触れる感触と言ったって手で触るだけじゃないし、着た重さや暑さ寒さ、よい着物も着てあげなければただの箪笥の肥やし。
その長持ちの中の着物もよいものというからには蚕から育てた農家さん、繭から糸にした人がいて、織った職人さんがいて、縫ってくれた和裁師さんがいて出来上がったものでしょう。
それこそ作ってくれた職人さんに失礼なのではないだろうか。
ちゃんと着てあげて欲しい。
873: 2015年07月04日 13:03
>>872
870.871です。ご主人様の、職人としての分をわきまえたい、というのも日本人的美徳で素敵だなと思いました。こういう方が染織産業を支えて来られたのですよね。でも現実問題もったいないので、最近は奥様に声をかけて「こんどの催しに着物着ましょうよ!」「おうち浴衣始めません?」とお誘いしてます。「世界が広がったわ!」と喜んでいただいてます。
しかし私が着ているようなやっすいプレタを「私も買ってみようかな‥」と言い出されたのでそれは全力で止めました(笑)絹しか知らないわ、という方がいらっしゃるというのもいいものだなあと思うんですよね。
874: 2015年07月04日 15:53
絹物しか知らないといっても、ご主人は職人の家族が着るものじゃないって考えなんですよね
それって「昔風」なんだろうか?
今は洋服があるけど、着物が日常着の時代は一体何を着てた(着せてた)のか
特に着慣れてない、着付け初めてならプレタでも太物でもご自身が着易いものから始めたらいいんじゃないでしょうか
875: 2015年07月04日 17:25
ご主人様の職人気質は確かに美徳で、これまでの和装文化を支えてきたのかもしれないけど、今の和装文化を廃れさせている遠因もその辺にありそうな気がする。
着物は着飾るものだという認識。高級な着物を作っていらっしゃるからでしょうけど。
お姑さんも、いくら目を養うためと言っても「高級着物は着なくても持つべき」という考え方で、これこそ現代ではどんどん受け入れ難くなっている考え方だと思う。見るだけなら誂えなくてもそうした環境ならいくらでも見られるのでは?もったいない。
それに着物作る職人の嫁を、自分で着物を着られないままにしておくというのはちょっと恥ずかしくありませんか?
何代か前の職人の奥さんなら、庶民らしい着物で過ごしていたはず。お姑さんも、正絹だけじゃなくて木綿などの着物を仕立ててあげて、着方を教えてあげればよろしいのに。
876: 2015年07月04日 18:20
お客様に出すのより一歩控えた、でも奥様のために拘りぬいたデザインで誂えて着せてあげるくらいの愛がほしかった
877: 2015年07月04日 18:49
「ワシはフレンチシェフだが、家族には美味いものは食べさせない。
女房にも作らせない。家族が美味いものを食うのは恥だ。
しかし良いモノは知っておくべきだから作って冷蔵庫に入れておく。
見て楽しみなさい」って話だったら
おまえはアホか、そんな奴が人様に出せる旨いものを作れるか!と思うよねえ。
着物は人に着られるからこそ着物なのですよ。
878: 2015年07月04日 19:22
主役は誰かっていう話で
主役はお客様
だから提供する側が、
お客様よりも良いもの、華美なものを
身に付けないようにしているという
ことなのかもね。
879: 2015年07月04日 19:25
むしろ職人のくせに、着られないまま箪笥に放置されてる着物を見ても何とも思わないのかねえ
着物を衣服じゃなく芸術作品かなんかだと勘違いしてるんじゃなかろうか
880: 2015年07月04日 19:43
自営業で忙しいのと、いろんな状況を想定して着物を用意していたがたまたま着る機会のない着物も多かったのでは。着物が自分で着れないのではなく、着れるけど、姑さんに認めてもらえるほどはきちんとは出来ないということかも。
私の実家の母も、着物は正絹という考え方だから、私が現在ウールの着物で出かけているのを知ったら・・・。しかも、数百円のリサイクル品で。母と一緒に暮らしていたら、今も着物を着ていなかったかもしれない。
882: 2015年07月05日 01:27
良い物を身に付けないのは解った。じゃ誂えなきゃいいじゃん。その時点で矛盾じゃない?
どっちかっていうと、お客さんみたいにしょっちゅういい着物着て外出するようでは、職人の嫁として相応しくないということでは?
でもだからって嫁に着物一着も作ってあげないようなケチじゃないよ、という気持ちを表すために作るだけは作る、とか。
「ホントは持ってるけど、着る機会が無いだけ」と思わせておけば嫁もひねくれまい、という。考えすぎW?
884: 2015年07月05日 06:57
んー、本人が着ないのは分かるけれど、自分の一番身近な女性に着せてみないのが変な感じ。
織物だったら布の変化を見れるし、染めなら動きが見られるじゃない?
素晴らしい家を作るけれど住む気はない!ッ言いながら商売してるの?
885: 2015年07月05日 09:31
置物職人・・・とかちょっと思ってしまった。華美でないことがイコール着物を着ない事にはならないと思うんだけどね。
886: 2015年07月05日 13:17
着もしないのに「良い物は知ってないと~」ってのがねえ・・・
着なくても知っておける「良さ」ってそれは本当に「着物の良さ」なの?
着物を着ない呉服屋の店員みたいでなんか嫌だわ
関連朝ドラ。そろそろ織物とか染物の職人がヒロインにならないかな
関連西陣織の職人募集が炎上しているけどこういうところにも西陣織が生き残る活路はあると…
元スレ: https://www.kimonolog.com/archives/post-20786.html
コメント一覧 : 織元の奥様。しつけつきのお着物が長持にぎっしりあるけどほとんど着てない…とのこと
少し話が違うけれど、良い弓師は弓を引きすぎてはいけないという事を聞いた事があるよ
え?なんで?自分で引かなきゃ良し悪しわからないじゃん?と当時は思ったけれど今なら少し解るかな
良い選手が良いコーチになるとは限らないし、着るのと作るのは全くの別物なんだろうね
自分の趣味嗜好や考え方を出しすぎてはいけない事も多いからどっぷり嵌ることは御法度なのかもしれないね
ただ、それで奥様を巻き込むのは個人的にはちょっとどうかなと思ってしまうな
※1続き
ただ商売をしていると、ウチは儲かってます!みたいな格好はなかなか出来ないんだろうね
特に着物とかは見る人が見れば一目瞭然だろうし
こっそり良い物を持っておく、というのはある意味仕方ないというか理にかなっているのかもしれないね
長艸刺繍のご夫妻(とくに奥様)は、いっつも着物だよね。
良いものを楽に粋に着て、それでお仕事される。
着慣れた様子と愛が感じられたよ。
願わくばこの素敵な、可愛らしい感じのする奥様が、
いつか素敵な着物ライフを楽しめますように。
870の奥様を好きな気持ちが伝わってくるから
旦那さんをあまり責めるのも憚られるんだけど、
「他の人より着物に近い位置にいる人が着物から引き離されている」
という、着物好きにとっては悲しすぎる状況に思えます。
この旦那さん、奥様がポリのプレタとか木綿を着てたらどう思うんだろう。
華美な服装ではないから良しとするのか、それともそんなもの着るなと言うのか。
そんなもの着るなと言うのであれば、私怒っちゃいますよ。
いいモノ着させないのはあなたでしょ、と。
あと、嫁入りの着物なのに金出してない姑が口出してるのもなんとなく腹立つ
(と思ってしまう鬼女なのだったw)
870は良い仕事してると思うよ。奥様がプレタから始めたいのであれば、
旦那さんがなんて言うかは置いておいて、試させてあげてはどうかな。
選び方失敗するかもしれないけど、初心者はみんな失敗するものよw
もともといいモノを知ってる人なら、学ぶのもきっと早いよ。
まずはキモノ姫買って読ませてあげましょうね(・∀・)。
持ってるだけでは知ったことにはならないしね。
きもの姫はちと奇抜ではないか?七緒とかでいいんでない?(適当)
まさに資源の無駄。
販売だけではなく織元なら、なおさら「用の美」を理解実践すべきだろうにね。
普段着~ちょっとお出かけなら七緒かな。追加するなら月刊アレコレで下着と着付けの工夫を補足とか。
箪笥の肥やしのやわらかものしか知らなかった奥さまには七緒でもきっと十分なカルチャーショックだ(笑)
雑誌を参考にするにしてもさ、若さと立場って武器だよね。
この織元の奥様は「着たい」って意思はあるのに、周りが締め付けてるわけだから。
友禅職人で奥様に着せたいなという意匠を描いていた人がいたわ。
着物と帯が繋がるような意匠だった。
奥様と母上をマネキンにする、という発想はないのか。
しかも奥様、旦那(自前工房)の作品さえ持っておられないのね…
※11
華岡青洲みたいw
服屋の店員でもアクセサリー作家でも、自分とこの商品や作品を身につけて接客するよね。
そうしないと売れない。
作者が身につける気にならない物を、他人がお金出して身につけようなんて思わないもの。
いくら職人気質でも、考え方変えないと生き残れないと思う。
え、
コメ欄のの職人批判する流れが意外だわ。
今の時代に職人続けて(いただいて、と言いたくなる)るだけでもう「貴方は神かっ」と尊敬の念しか浮かばない もうそのくらい貴重な存在だろう
そんな人に自分で機織りも出来ない人が「着物文化が廃れるのはその精神が…」云々言ってると思うとなんと言うか聞いてるこっちが恥ずかしすぎる。
米15
自分で機織りもできない人が、って表現はすごいねw
一着物好きとして、あなたの言葉を借りて言わせてもらえば、奥さんに着物を着せもできない人が織物職人でござい、最高級の着物を作ってます、と言うことは「恥ずかしい」ことだと思うけどね。
あと、着物文化が廃れるのは職人の精神のせいだ、という表現は記事にもコメにも見当たらないようだけど。唯一「着物が廃れる」発言してるのは、この職人の奥様だよw
コメ残してる多くの人が批判してるのは織物産業でも職人さん全体でもなく、この特定の「職人」の、しかも「技術」ではなく「着物に向き合う姿勢」だということは理解してる?
あなたも着物の好きな人なんでしょうけど、あなたの言うところの「神」がジャストサイズで素晴らしい着物を織ってくれたとして、着るな、しつけも取らずタンスに閉まっておけ、って言われたら、せっかくの着物がもったいないと思わないのかな。
着れない着物は着物じゃない
ただの布切れ
スレ主さんが上手くまとめてると思う
宝飾品関係も同じ感じだよ
ここぞという晴れの日に使用するような一級品を沢山持っているけれど普段は身に付けない人はいるよ
奥様は必要がある時にはそれこそ超一級品をびしっと着付けてもらうのでは?と思うけどな
無闇に着て欲しくないのは普段使いの手軽なブランドというイメージは持たれたくないのかも
二極化もそうだしジャンル違いの住み分けかな?
ただ、趣味レベルではなくて家業が関わるのなら野外からは口出しはせず、奥様の可能な範囲で一緒に楽しめればいいと思う
着物好きな人が集まる場だもの。基本的に着たい人の味方だよ。
職人の配偶者としての立場があるならあるなりに、着物を楽しむ方法はあるはずでしょっていう……
※15
自分で織れないからこそお金を出して買うわけで、それが職人の生活を支えてるわけなんだけど、
その職人の方針で嫁に着物を着させない・箪笥の肥やし大量って知ったら買う気がなくなるわ・・・・
自分や余所の職人の素晴らしい技術を、箪笥の肥やしにしても平気な職人の作るものに魅力を感じない
「着物は着ずに置いて置くもの!着れば価値は下がる!」って考えのオバサン、今でもいるもんね。
着物が変動の少ない財産で、高額換金出来た頃の負の遺産だな。
いや、もう職人の人間性なんか言葉は悪いがどうでもいいわ。奥さんが幸せか不幸せかも夫婦は当人同士だって分からないことあるし。
着ないで箪笥の肥やしにするも勝手、雑巾になるまで着倒すも勝手でしょ。他人の感じ方にいちゃもんつける方がどうかしてる。
コメントも勝手なんスけど
勝手にコメントしていがみ合って雰囲気悪くするのも勝手ですか
奥様はきっと愚痴(?)聞いてもらえただけで有難かったと思うよ。
旦那にも姑にも聞かれちゃならん愚痴だもの。
※21 の指摘が鋭い
うちの母も祖母も「しつけをとったら価値が下がる」と強硬に主張する
40年前の嫁入り箪笥の中身、まだしつけ掛けとく気ですか母上
母「だってもったいないじゃない!」 私「着ないほうがもっともったいないでしょ!?」
…職人さんの話からずれたゴメン
話は戻るけど、対外的には職人は地味にしているほうが上手くいく…これは良い悪いではなくて事実。取引先の問屋や呉服屋等に買ってもらうには謙虚にしてる方が良いから。
しつけをとったら価値が下がるって、結局何かに換える=市場に戻す前提の考えだよね
誰も着なかったきれいな着物が中古市場で大量に出回るから、着る人は新しいの買わなくなるのでは
この奥様も報告者が楽しんでるような「着る着物」の世界を知らなかった
なおかつ興味を持ってこれから楽しむ意欲がある(文面から読み取れる限り)
微笑ましいけれどつくる側の着物文化そのものに対する意識の低さというか、関心のなさが表れたような話でもあると思う
おお、いつの間にかまとめられてた。870です。
えーと、奥様のその後をご報告します。奥様は着物お出かけライフを楽しみ始めていらっしゃいます。難色を示していたご主人様も今や奥様のコーディネートから着付けからサポートする頼もしいスタイリストだそうです。まあ何があったかはご夫婦のことですけど、少しはお役に立てたのかなと。
ご主人が着物で出かけることに消極的だったのは、地方都市の染織業界という狭い中では口さがないことを言う御婦人方もいらっしゃった、そういうことかもしれないですね。
初心者が着物で出かける際のハードルといえば、値踏みされる、着付けをチェックされる、TPO、とこの辺りでしょうが、奥様はいい物しか持ってないしご主人が全て監修してくださる、しかも細身の美人!まさに怖いものなし(^^)
ということで、一件落着かな。
実は奥様、先月着物を諦めて洋服で出かけた日、琉球紬の単衣でお気楽に街を歩く私とばったり会って「今度は絶対着物着る!」と決心されたのだとか。たしかにこの時はすごくほめていただいたんですよね。
もともと綺麗な方でしたけど、先週お会いしたらさらにイキイキした感じで嬉しそうにご主人様のことをお話しされてて、ほっこりしました。
しかし奥様は素敵なお召し物ばかり見せてくださるので、物欲が刺激されて困るわ。とりあえず有松絞りの浴衣がほしくてたまらない〜(^_^;)
豪華なものを着ても富をひけらかすみたいで感じ悪く思われて、逆にしょぼいの着てても値踏みされるのかなーと思った。
870さんのおかげで着物にとっても奥様にとっても良い結果になって良かったですね!
自分が作った着物でさらに輝く奥様に惚れ直しちゃってポリシーが引っ込んだのかいw?
どうか末永くお幸せに。
後日談でほっこりしたー
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